今日は、「外反肘」と「内反肘」についてお話します。
- 肘関節は、上腕骨・橈骨・尺骨により構成される。肘の親指側にある骨が橈骨、小指側にある骨が尺骨である。
- 外反肘と内反肘
Carrying angleが正常範囲を超えて外反している場合を外反肘、内反している場合を内反肘と言う。
- Carrying angleについて
前額面における上腕骨長軸と尺骨長軸のなす角は男性で11~14°、女性で13~16°外反している。
▪内反肘の原因
内反肘の原因のほとんどは幼児期、小児期の上腕骨顆上骨折後の変形治癒や生まれつきである。生まれつきは比較的少なく、上腕骨内側の滑車と呼ばれる部分が小さいことが原因である。
- 外反肘の原因
外反肘は幼児期、小児期上の腕外顆骨折後の偽関節、変形治癒後に生じるもの。外顆骨折後の偽関節では外顆骨片が徐々に近位外側に転位していくために進行性の外反肘を呈する。
- 外反肘と内反肘の評価
☆外反ストレステスト ☆内反ストレステスト
- 外反肘と内反肘の合併症
☆内反肘・・・上腕骨遠位端再骨折(遠位=肘の部分の骨折)、肘関節の後外側回旋不安定症(親指側の靭帯=肘に違和感・音)、遅発生尺骨神経麻 痺(手の小指側のしびれや違和感)
☆外反肘・・・上腕骨外顆偽関節の動揺性、遅発性尺骨神経麻痺
- 内反肘と外反肘の治療法
内反肘→手術療法・・・外側側副靭帯再建手術、尺骨神経前方移動術
外反肘→手術療法・・・骨移植、尺骨神経皮下前方移動術
▪次回は脊柱についてお話します。