四十肩・五十肩の痛み!『可動域』を取り戻す段階的アプローチ


四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)は、肩関節とその周囲の組織に炎症が起こり、激しい痛みと肩の動きの制限(可動域の減少)を引き起こすつらい症状です。この症状は、適切な治療を受けずに放置すると、痛みが治まっても肩の動きが固まったままになる「拘縮(こうしゅく)」という後遺症を残すことがあります。

可動域を完全に回復させ、日常生活を快適に送るためには、症状の進行段階に合わせた段階的かつ計画的なアプローチが不可欠です。今回は、四十肩・五十肩の治療における段階的ケアと可動域回復のポイントをご紹介します。

四十肩・五十肩の症状と治療の3つの段階

四十肩・五十肩は、発症から回復まで約半年から1年半程度かかると言われており、時期によって治療の目的が大きく異なります。

段階 症状の主な特徴 治療の主な目的
1. 急性期(炎症期) 激しい痛み。安静時や夜間にもズキズキ痛む。肩を動かせない。 炎症と痛みの徹底的な鎮静
2. 慢性期(拘縮期) 強い痛みは治まるが、肩が硬くなり、動く範囲が大幅に制限される。 硬くなった関節と筋肉を緩め、可動域を拡大
3. 回復期 痛みも可動域も改善に向かう。 筋力と耐久性を回復させ、再発を予防

『可動域』を取り戻す段階的アプローチ

【急性期】まずは「動かさないケア」で炎症を鎮める

この時期に無理に動かすと、炎症が悪化し、治癒が長引きます。

  • 徹底的な鎮痛・安静: 専門的な電気治療(ハイボルテージなど)やアイシングで炎症と痛みをコントロールします。痛む動作は避け、三角巾やサポーターで肩を安静に保ちます。
  • 周辺の緊張緩和: 痛む肩自体ではなく、その周辺(首や背中)の緊張を緩める施術を行い、肩への負担を間接的に軽減します。
【慢性期】「動かすケア」で柔軟性を回復させる

痛みが落ち着いたら、硬くなった関節包や筋肉を少しずつ伸ばし、肩の動きを広げるための訓練を開始します。これが可動域回復の最重要段階です。

  • 徒手療法と温熱: 固まった肩関節周辺の筋肉や筋膜を、手技で丁寧にほぐし、血行を促進します。温熱療法は、組織を緩め、ストレッチ効果を高めます。
  • 運動療法(リハビリ): 痛みが出ない範囲での「振り子運動(コッドマン体操)」や、他動的なストレッチ(治療家が補助して動かす)を行います。自分で腕を動かせる範囲を徐々に広げることが目標です。
【回復期】「使うケア」で再発を防ぐ

可動域が回復してきたら、実生活での動きに戻るための仕上げのケアです。

  • 筋力トレーニング: 弱ってしまった肩周り、特にインナーマッスル(ローテーターカフなど)を強化するトレーニング指導を行います。
  • 姿勢と体の軸の調整: 痛みが再発しないよう、肩に負担がかかる原因となっている骨盤や背骨の歪みをチェックし、体の軸を整えます。

まとめ:早期相談が回復への最短ルート

四十肩・五十肩は、時期に合わせた適切な治療アプローチが必要です。「安静にすべき時期」に動かしすぎたり、「動かすべき時期」に放置したりすると、回復が遅れるだけでなく、関節が固まって後遺症につながります。

東洋スポーツパレス鍼灸整骨院では、あなたの五十肩の症状がどの段階にあるかを正確に判断し、痛みを取りながら可動域を回復させるための最適な治療計画をご提案します。

つらい五十肩の痛みと可動域制限から解放され、スムーズな日常の動きを取り戻しましょう。