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視力・聴力・嗅覚…感覚器の後遺障害認定の具体的な検査方法

交通事故の後遺障害の中でも、視力・聴力・嗅覚といった「感覚器」の障害は、外見上は分かりにくく、認定が難しい分野とされています。本人は明確な不自由を感じていても、客観的な検査結果が伴わなければ、後遺障害として認められないケースも少なくありません。
本記事では、交通事故後に問題となりやすい感覚器障害について、後遺障害認定において重視される具体的な検査方法を中心に解説します。

感覚器の後遺障害とは

感覚器の後遺障害とは、視覚・聴覚・嗅覚・味覚など、人が外界の情報を受け取るための機能に障害が残った状態を指します。交通事故では、頭部外傷、顔面骨折、むちうち、脳損傷などが原因となり、これらの感覚が低下または喪失することがあります。
感覚器障害は日常生活や就労に与える影響が大きいため、後遺障害等級認定においても慎重な評価が行われます。

視力障害の検査方法

視力障害の後遺障害認定では、矯正視力を基準に評価されるのが原則です。主にランドルト環を用いた視力検査が行われ、左右それぞれの視力が数値として記録されます。
また、単なる視力低下だけでなく、視野障害も重要な評価対象です。ゴールドマン視野計や自動視野計を用い、どの範囲まで見えているかを測定します。特に脳損傷や視神経損傷がある場合、視野欠損が後遺障害認定の決め手となることがあります。

複視・眼球運動障害の検査

交通事故では眼窩骨折や外眼筋の損傷により、複視(物が二重に見える症状)が生じることがあります。この場合、ヘスチャート検査や眼位検査などが実施され、眼球運動の制限や左右差が確認されます。
自覚症状だけでなく、検査結果として異常が明確に示されることが、後遺障害認定では非常に重要です。

聴力障害の検査方法

聴力障害では、純音聴力検査が基本となります。これは防音室内で、周波数ごとに音が聞こえる最小の音量を測定する検査です。結果はオージオグラムとして記録され、等級判断の重要な資料となります。
また、語音明瞭度検査により、言葉の聞き取り能力がどの程度低下しているかも評価されます。むちうちや頭部外傷後の難聴では、左右差や高音域のみの低下が問題となることも多く、丁寧な検査が求められます。

耳鳴り・めまいとの関係

耳鳴りやめまいは自覚症状が中心であるため、後遺障害認定では特に慎重な判断が行われます。耳鳴りについては、ピッチマッチ検査やラウドネスバランス検査などを用いて、客観的な裏付けが試みられます。
めまいについては、平衡機能検査や眼振検査などが実施され、内耳や脳の異常が認められるかどうかが確認されます。

嗅覚障害の検査方法

嗅覚障害は、交通事故後の頭部打撲や顔面外傷、脳損傷によって生じることがあります。検査としては、基準嗅力検査や静脈性嗅覚検査が代表的です。
においを感じるかどうか、どの程度識別できるかを段階的に評価し、嗅覚の低下や脱失が客観的に示されます。嗅覚障害は生活の質への影響が大きい一方で、軽視されやすいため、検査結果の提出が重要になります。

味覚障害の評価

味覚障害は嗅覚障害と併発することも多く、電気味覚検査や濾紙ディスク法などが用いられます。味を感じる閾値を測定し、異常が数値として示されることで、後遺障害として評価される可能性が高まります。

後遺障害認定で重要なポイント

感覚器の後遺障害認定では、「症状がある」だけでは足りず、「検査によって裏付けられているか」が最大のポイントです。検査結果と事故との因果関係、症状固定後も継続していることが示されなければ、非該当となるリスクがあります。
そのため、専門医による検査を適切な時期に受け、診断書や検査結果を漏れなく提出することが重要です。

まとめ

視力・聴力・嗅覚といった感覚器の後遺障害は、見えにくく、分かりにくいからこそ、客観的な検査が認定の鍵を握ります。交通事故後に感覚の異常を感じた場合は、早めに医師へ相談し、必要な検査を受けることが、正当な後遺障害認定につながります。

 

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