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手足の欠損・麻痺…重度後遺障害の介護費用と将来の生活設計

交通事故によって手足の欠損や重度の麻痺が残ってしまった場合、被害者本人だけでなく家族の生活も大きく変わります。日常生活動作(ADL)の多くに介助が必要となり、長期的・継続的な介護が避けられません。本記事では、交通事故で重度後遺障害を負った場合に問題となる介護費用の考え方と、将来を見据えた生活設計のポイントについて解説します。

重度後遺障害とは何か

交通事故の後遺障害の中でも、手足の欠損や麻痺は「重度後遺障害」に分類されることが多く、後遺障害等級では1級から3級に該当するケースが中心です。例えば、両上肢の機能を完全に失った場合や、両下肢が麻痺して常時車いす生活となる場合などがこれにあたります。

これらの障害では、食事・排泄・入浴・移動といった基本的な生活動作に常時または随時の介助が必要となるため、介護は一時的な問題ではなく「一生続く課題」となります。

介護費用はどのくらいかかるのか

重度後遺障害における介護費用は、被害者の障害の程度や介護体制によって大きく異なります。主に以下のような費用が発生します。

  • 家族による介護に対する介護費(近親者介護費)
  • 介護職員やヘルパーを利用する職業介護費
  • 介護ベッド、車いす、リフトなどの福祉用具費用
  • 住宅改修費(段差解消、手すり設置、バリアフリー化など)
  • 通院やリハビリのための付添費・交通費

特に問題となるのが、将来にわたる「継続的介護費用」です。1日あたり数千円〜1万円以上と評価されることもあり、これが数十年続くとなると、総額は数千万円から1億円を超えることも珍しくありません。

介護費は損害賠償で認められるのか

交通事故による重度後遺障害の場合、必要かつ相当な介護費用は損害賠償として請求することが可能です。ポイントは「どの程度の介護が、どれくらいの期間必要か」を医学的・生活実態的に裏付けることです。

例えば、医師の意見書や診断書で「常時介護が必要」と判断されれば、将来介護費が認められる可能性は高くなります。また、家族が介護を行う場合でも、無償ではなく金銭評価されるのが原則です。

一方で、保険会社は介護の必要性や金額について厳しく争ってくることが多く、十分な立証がなければ低額な提示にとどまるケースもあります。

将来の生活設計で考えるべき視点

重度後遺障害では、目先の補償だけでなく「将来の生活をどう支えるか」という視点が極めて重要です。

まず考えるべきは、介護を誰が担うのかという問題です。家族介護を前提にすると、介護者の就労制限や心身の負担が大きくなり、家庭全体の生活設計に影響します。途中から外部介護へ切り替える可能性も踏まえた計画が必要です。

次に、住環境の整備です。事故後すぐは対応できていても、年齢を重ねるにつれて介護内容は変化します。将来的な身体機能の低下を見越し、余裕のあるバリアフリー設計を検討することが重要です。

さらに、公的制度の活用も欠かせません。障害年金、介護保険、各種障害福祉サービスなどを組み合わせることで、自己負担を抑えつつ生活の安定を図ることができます。ただし、これらは損害賠償とは別枠で考える必要があり、賠償額算定においても慎重な整理が求められます。

専門家と連携する重要性

重度後遺障害が残った場合、医療・介護・法律の各分野が密接に関わります。主治医による医学的評価、リハビリ専門職の生活動作評価、そして後遺障害や損害賠償に詳しい弁護士や専門家との連携が、将来の生活設計を左右します。

特に介護費用は「想定が甘い」と後から修正がきかないことが多いため、早い段階から長期的視点で検討することが不可欠です。

まとめ

手足の欠損や麻痺といった重度後遺障害は、被害者の人生設計そのものに大きな影響を与えます。介護費用は一時的な問題ではなく、生涯にわたる重要なテーマです。適切な後遺障害認定と十分な損害賠償を確保し、公的制度も活用しながら、現実的で無理のない将来の生活設計を立てることが、被害者と家族の安心につながります。

 

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