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後遺障害の認定が却下された…その理由とは?

交通事故に遭い、長引く痛みやしびれ、体の不調が残っているにもかかわらず 、 いざ「後遺障害」の申請をしたのに、認定が却下された
そんなとき、「なぜ?」「どこがダメだったの?」と疑問や不安を感じる方は少なくありません。

実は、後遺障害の認定が下りないケースには、いくつかの明確な理由があります。
この記事では、認定却下の主な原因と、その後に取るべき対処法をわかりやすく解説します。

■ そもそも「後遺障害」とは?

「後遺障害」とは、交通事故のケガが治療を続けても、これ以上の回復が見込めない状態(症状固定)になったとき、体や心に残った障害のことを指します。

例えば、

  • むち打ちで首や肩の痛み、しびれが続く
  • 骨折後に関節がうまく動かない
  • 視力や聴力が戻らない
  • 記憶力や集中力の低下がある

といった症状です。
これを自賠責保険や任意保険の基準で評価し、1級〜14級までの等級が認定されると、「後遺障害等級認定」となります。

■ 認定が却下される主な理由

① 医学的な「証拠」が不足している

後遺障害認定で最も重視されるのは、医師による医学的証拠(画像や診断書など)です。
ところが、次のような場合は「証拠不十分」と判断されることがあります。

  • MRIやCTなどの画像に異常が写っていない
  • 症状を裏付ける検査データがない
  • 医師の診断書に具体的な記載がない(痛みの程度・動作制限の範囲など)

特に「むち打ち症」や「神経症状」は画像で異常が確認しづらいため、客観的な根拠をどう残すかが非常に重要です。

② 医師の診断書の内容が不十分

後遺障害の申請では、「後遺障害診断書」の記載内容が審査の決め手になります。
しかし、医師が事故の経緯や症状を十分に把握していないまま記入すると、認定に必要な情報が抜け落ちるケースがあります。

例えば、

  • どの動作で痛みが出るかが書かれていない
  • 可動域制限の角度が記載されていない
  • 神経学的検査(反射・筋力・知覚など)が未実施

こうした不備があると、審査機関は「後遺症としての医学的根拠が不明」と判断し、却下されてしまいます。

③ 受診や通院の間隔が空いている

交通事故後の通院が不定期・短期間で終わっていると、「本当に症状が続いていたのか?」と疑われてしまいます。
特に、次のようなケースは注意が必要です。

  • 数週間~数か月、病院に通っていない期間がある
  • 痛みがあるのに治療を中断している
  • 病院を頻繁に変えている

「治療の一貫性」がないと、事故との因果関係が認められにくくなり、後遺障害の認定が難しくなります。

④ 事故との因果関係が不明確

後遺障害と認められるためには、「事故で受けたケガが原因で後遺症が残った」と証明する必要があります。
しかし、

  • 事故の衝撃が軽微(追突時の速度が低いなど)
  • 受傷部位が事故の状況と一致しない
  • 以前から同じ部位に痛みや持病があった

といった場合は、事故との因果関係が否定されやすくなります。
このため、事故直後の受診記録や、ケガの経過を詳細に残しておくことが大切です。

⑤ 申請書類に不備や誤りがある

後遺障害等級の申請では、書類の記載ミスや提出漏れが意外と多く、これも却下の原因になります。

例として、

  • 事故日や通院期間の記載ミス
  • 医療機関の印鑑漏れ
  • 提出期限の遅れ
    など。

専門的な知識が必要なため、弁護士や交通事故専門の行政書士にサポートを依頼する方も少なくありません。

■ 却下された場合の対処法

もしも認定が却下された場合でも、あきらめる必要はありません。
再申請(異議申立)を行うことで、等級が認められるケースも多くあります。

① 異議申立(再申請)を行う

自賠責保険に対して「異議申立書」を提出し、再度審査を求めることができます。
この際は、初回申請時に不足していた証拠を補強することが重要です。

  • MRI・CTの再撮影
  • 神経学的検査の追加
  • 通院記録・症状経過の整理
  • 主治医への説明依頼(後遺障害診断書の再作成など)

書類を整えることで、「新たな証拠が提出された」として認定される可能性が高まります。

② 専門家に相談する

交通事故に詳しい弁護士や行政書士に依頼することで、医学的根拠の整理や再申請のサポートを受けられます。
専門家は過去の認定事例や審査基準を熟知しているため、どのような資料を提出すべきか具体的なアドバイスがもらえます。

③ 病院を変えて再検査する

主治医が交通事故の後遺障害申請に詳しくない場合、専門の整形外科やリハビリ科で再検査を受けるのも一つの方法です。
症状の再評価を受けることで、新たな所見(可動域制限や神経障害など)が見つかる可能性があります。

■ まとめ:却下されても、正しい手順で再挑戦を

後遺障害の認定が却下されると、精神的にも落ち込みやすいものです。
しかし、「証拠不足」や「記載の不備」といった理由で認定されないケースは多く、改善の余地があります。

大切なのは、

  1. 医学的証拠を整える
  2. 記録や診断書を正確に残す
  3. 専門家と連携して再申請を行う

という3つのポイントを押さえること。

交通事故の後遺症は、見た目には分からなくても本人にとっては深刻です。
一人で悩まず、専門知識を持つサポーターと一緒に正当な補償を目指しましょう。

 

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示談前に知るべき!後遺障害認定と損害賠償

交通事故に遭った場合、多くの被害者は「早く示談を終わらせたい」と考えがちです。しかし、示談に応じる前に知っておくべきことの一つが、後遺障害認定とそれに伴う損害賠償の範囲です。この知識がなければ、思わぬ損失を被る可能性があります。この記事では、後遺障害認定の仕組みと、損害賠償にどう影響するのかをわかりやすく解説します。

後遺障害認定とは

後遺障害認定とは、交通事故によって負った傷害が完治せず、一定の障害が残った場合に、その障害の程度を客観的に評価する制度です。医師の診断書や検査結果に基づき、損害保険会社や自賠責保険の審査機関が認定を行います。認定の有無や等級によって、受け取れる損害賠償の金額は大きく変わります。

例えば、むち打ちや手足の可動制限、神経症状などは後遺障害に該当する場合があります。症状の程度や日常生活への影響度に応じて等級が決まり、等級は1級から14級まであります。1級に近いほど重い障害、14級は比較的軽い障害とされます。等級が高いほど、将来的な生活や収入への影響も大きく評価されます。

後遺障害等級が損害賠償に与える影響

後遺障害等級は損害賠償額の計算に直結します。損害賠償には大きく分けて「逸失利益」と「後遺障害慰謝料」の2種類があります。

逸失利益

逸失利益とは、事故によって将来得られるはずだった収入が減少したことに対する補償です。後遺障害が重いほど、労働能力の喪失が大きく評価され、逸失利益も増加します。計算には、基礎収入・労働能力喪失率・ライプニッツ係数などが用いられます。例えば、手足の機能が制限されることで仕事に支障が出る場合、その影響を金額として補償するのが逸失利益です。

後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料は、事故により生活や心身に制約が生じたことに対する精神的損害の補償です。等級ごとに定められた慰謝料基準があります。認定等級が高いほど、日常生活への影響が大きいため、慰謝料額も増加します。たとえば、14級の軽度障害では数十万円程度、1級の重度障害では数千万円に及ぶこともあります。

示談前に注意すべきポイント

示談交渉は、保険会社から提示されることが多いですが、ここで注意すべき点があります。

  1. 後遺障害認定を受ける前に示談してはいけない
    認定前に示談してしまうと、後遺障害等級に基づく賠償請求ができなくなる場合があります。まずは必ず認定手続きを行い、適切な等級を取得することが重要です。
  2. 医師への相談と診断書の準備
    後遺障害認定には医師の診断書が不可欠です。症状の経過や治療内容、生活への影響などを詳細に記載してもらうことで、認定の正確性が高まります。診断書の内容が不十分だと、等級が低く評価されることもあるため、正確な情報提供が大切です。
  3. 等級認定に納得できない場合の異議申立
    申請結果に不満がある場合は異議申立も可能です。再度医師の意見書を添えて申請することで、等級の修正や見直しが認められることがあります。異議申立は期限があるため、申請タイミングを逃さないことが重要です。
  4. 保険会社提示額の妥当性を確認
    保険会社は提示額を少なく見積もることがあります。弁護士や交通事故専門家に相談することで、妥当な損害賠償額を確認できます。提示額だけで示談に応じるのではなく、自分の受けられる権利をしっかり確認しましょう。
  5. 事故後の経過を記録すること
    後遺障害認定や損害賠償では、事故後の症状や通院記録が重要です。日記や写真、医療機関の診断書を整理しておくことで、認定の信頼性が高まります。特にむち打ち症や神経症状は、客観的な検査結果が少ないため、経過記録が有効です。

弁護士に相談するメリット

後遺障害認定や損害賠償は複雑で、法律的な知識が必要です。弁護士に相談することで、認定手続きのサポートや示談金額の妥当性チェック、必要に応じて訴訟手続きの代理まで任せられます。特に後遺障害等級が高い場合や逸失利益の計算が難しい場合、専門家の支援は非常に有効です。弁護士費用特約が利用できる場合もあるため、費用面の負担を抑えながら相談できることもあります。

まとめ

交通事故後の示談は焦らず、まず後遺障害認定を受けることが重要です。後遺障害等級が損害賠償額に直結するため、認定前に安易に示談すると損をする可能性があります。医師の診断書を整え、事故後の症状や通院記録をしっかり残し、必要に応じて弁護士に相談することで、適正な補償を受けられる環境を整えましょう。示談前の準備と正しい知識が、あなたの権利を守る大切なステップです。後遺障害認定を受けることは、単に賠償金額を増やすだけでなく、今後の生活を守るための重要な手続きだと認識してください。

 

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