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12級後遺障害の認定条件と慰謝料の目安

交通事故に遭った場合、身体に後遺症が残ることがあります。その際、後遺障害等級に応じて慰謝料が支払われることがありますが、特に「12級」は多くのケースで関係してくる等級です。本記事では、12級後遺障害の認定条件や慰謝料の目安について詳しく解説します。

1. 後遺障害等級とは

交通事故によるケガや障害が治療後も残る場合、その障害の程度に応じて「後遺障害等級」が認定されます。等級は1級から14級まであり、数字が小さいほど重い障害を意味します。

  • 1級:最も重い障害。身体のほぼすべての機能に影響。
  • 14級:比較的軽度の障害。日常生活への影響は限定的。

12級は、軽度ながらも後遺症として認定されるケースに該当します。12級は、事故の影響が日常生活に一定の制限をもたらすものの、日常生活を自立して送ることは可能な段階です。

2. 12級後遺障害に該当する主な症状

12級に該当する後遺障害は、部位や症状によって異なりますが、代表的な例を挙げると以下の通りです。

① 神経系の障害

  • 神経麻痺やしびれが軽度に残る場合
    事故後に手足のしびれや感覚異常が残るが、日常生活は自立して行える場合に12級が認定されます。

② 骨折・関節の障害

  • 可動域制限が軽度残る場合
    骨折や脱臼の後遺症で関節の動きが制限され、日常生活で多少の不便が残るケース。
    例:手首の曲げ伸ばしが完全ではない、足首の動きが制限されるなど。

③ 外貌(がいぼう)の障害

  • 顔や身体に軽度の変形が残る場合
    傷痕や変形が目立つものの、機能的には大きな支障がない場合。

④ 内臓・その他の障害

  • 内臓機能の軽度障害
    交通事故による衝撃で内臓に障害が残る場合も、日常生活に軽度の支障があれば12級が認定されることがあります。

3. 12級後遺障害の認定条件

12級に認定されるためには、医師による診断書や各種検査結果が必要です。条件としては以下のようなポイントがあります。

  1. 症状が事故と因果関係があること
    • 症状が事故によるものと証明される必要があります。
    • 診断書や治療経過を詳細に記録しておくことが重要です。
  2. 症状が治療終了後も残ること
    • 一定期間(一般的に6か月〜1年)経過しても症状が改善しない場合に後遺障害として認定されます。
    • 事故直後だけの症状では認定されません。
  3. 日常生活に影響があること
    • 完全に自立した生活が可能であっても、多少の不便や制限があることが条件。
    • 軽度の感覚麻痺、可動域制限、軽い外貌の変形などが該当します。
  4. 画像検査や機能検査で裏付けがあること
    • MRI、CT、レントゲンなどの画像検査で障害の証拠を確認する。
    • 関節の可動域検査や神経伝導検査などで症状を客観的に示すことが推奨されます。

4. 12級後遺障害の慰謝料の目安

12級後遺障害の場合、慰謝料は症状の内容や保険会社との交渉により異なりますが、おおよその目安があります。

① 自賠責保険による基準

自賠責保険では、12級の後遺障害慰謝料は約32万円が支払われます。これは最低限の補償額です。

② 任意保険(保険会社)による慰謝料

任意保険では、損害保険料算定機構や裁判例に基づき算定されます。

  • 裁判基準(弁護士基準)では、12級の慰謝料は約94万円〜110万円が目安です。
  • 自賠責よりも高額になるケースが多く、症状の証拠や治療経過が重要になります。

③ 注意点

  • 症状固定時期や通院期間が短すぎると、十分な慰謝料が認められない場合があります。
  • 後遺障害等級の認定が下りても、保険会社が提示する金額が必ずしも裁判基準とは限りません。交渉や弁護士相談が有効です。

5. 12級認定のポイントと準備

12級認定を受けるためには、以下の準備が重要です。

  1. 医師に症状を正確に伝える
    • 痛みやしびれ、可動域制限の程度を具体的に説明する。
    • 「日常生活にどの程度支障があるか」を明確にする。
  2. 通院記録や治療経過を残す
    • 診療明細書、検査結果、治療メモなど、後から証拠として提出できる資料を整備。
  3. 後遺障害診断書の作成を依頼
    • 後遺障害診断書は等級認定に直結する重要な書類。
    • 診断書に記載された内容は後の慰謝料算定に大きく影響します。
  4. 必要に応じて弁護士に相談
    • 12級は比較的軽度の等級ですが、慰謝料の増額交渉や認定申請のサポートを受けると安心です。

6. まとめ

交通事故で後遺症が残ると、日常生活への影響は軽度でも精神的・経済的な負担があります。12級後遺障害は「軽度ながらも症状が残る状態」として認定され、慰謝料や補償が支払われます。

ポイントは以下の通りです。

  • 事故との因果関係と症状固定が認められること
  • 日常生活に多少の制限があること
  • 診断書や検査結果など、証拠をしっかり準備すること
  • 慰謝料は自賠責・任意保険・裁判基準で異なるため、交渉が重要

後遺障害12級に該当するか迷った場合や、慰謝料の額に不安がある場合は、交通事故に詳しい弁護士や専門家に相談することをおすすめします。適切な手続きと準備で、事故後の生活への影響を最小限に抑えましょう。

 

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後遺障害12級で認定されたケース紹介

交通事故は誰にでも起こり得るリスクであり、事故によって受ける怪我やその後の生活への影響は計り知れません。特に後遺障害の認定を受けるかどうかは、被害者の生活や経済面に大きな影響を与えます。今回は「後遺障害12級」で認定された実際のケースを紹介し、その背景やポイントを解説します。

後遺障害とは

後遺障害とは、交通事故などで受けた怪我が一定期間経過しても完治せず、身体や精神に恒久的な障害が残る状態を指します。交通事故の被害者は、治療が終わった後に症状固定と呼ばれる状態になった際に、後遺障害等級の認定申請を行います。

後遺障害等級は1級から14級まであり、数字が小さいほど重度の障害を意味します。12級は「比較的軽度ではあるが、日常生活や仕事に一定の支障が出るレベル」の障害に認定される等級です。例えば、神経損傷によるしびれや可動域制限、外貌の変形などが該当します。

ケース紹介:手首の骨折による後遺障害12級

今回紹介するケースは、30代男性が自動車事故で手首を骨折した事例です。事故は交差点での追突事故で、相手車両の不注意により被害者は転倒し、手首を骨折しました。手術とリハビリを経ても、完全な可動域は回復せず、わずかな握力低下と手首の痛みが残りました。

医師は「今後も痛みが完全に取れる可能性は低く、日常生活や仕事に支障が出る」と判断。被害者は後遺障害の認定申請を行い、結果として「神経症状を伴う12級13号」と認定されました。

12級認定のポイント

このケースで12級が認定されたポイントは以下の通りです。

  1. 医学的証拠の提出 
    • 骨折部位のレントゲンやMRI画像
    • 手首可動域や握力の測定結果
    • 医師の診断書・後遺障害診断書
  2. 症状固定の適切な判断 
    • リハビリ期間後、症状が改善しない時点で症状固定を判断
  3. 後遺障害申請書類の充実 
    • 日常生活での不便さ、仕事への影響を具体的に記載
    • 画像や診断書を添付することで症状の客観性を示す

これらの準備が認定の決め手となりました。特に12級は軽度であるため、証拠が不十分だと認定されないケースもあります。日常生活での制限や痛みを具体的に示すことが重要です。

後遺障害12級の慰謝料と補償

12級に認定されると、損害賠償請求で一定の慰謝料や補償を受けることができます。具体的には以下の項目が考えられます。

  • 慰謝料:精神的苦痛に対する賠償
  • 逸失利益:将来の収入減少に対する補償
  • 治療費・通院交通費:事故による医療費
  • 後遺障害による生活費補償:日常生活での不便さや支援費用

実際に今回のケースでは、手首の可動域制限により軽作業が困難になったため、逸失利益も含めて相手方保険会社と交渉し、適正な補償を受けることができました。

認定を受けるためのアドバイス

後遺障害12級で認定されるかどうかは、証拠の積み重ねが非常に重要です。以下の点を意識しましょう。

  1. 早期の医療機関受診 
    • 事故直後の診察記録が重要
  2. 治療経過の記録 
    • 診療明細書やリハビリ記録、医師の所見を整理
  3. 症状の具体的な記録 
    • 日常生活の困難や痛みを日記に残す
  4. 専門家への相談 
    • 弁護士や交通事故専門の行政書士に相談するとスムーズに申請可能

これらの準備が不十分だと、軽度の症状では認定が下りない場合があります。

まとめ

後遺障害12級は比較的軽度ではあるものの、日常生活や仕事に支障を及ぼす可能性があります。今回紹介した手首骨折のケースでは、医師の診断書、画像資料、症状の記録などを揃えることで認定に至りました。

交通事故に遭った場合、後遺障害の認定は被害者の権利を守るための重要なステップです。適切な医療記録と証拠の整理、そして専門家への相談を行うことで、公平な補償を受けることができます。交通事故後の生活を守るためにも、後遺障害認定の重要性を理解し、準備を怠らないことが大切です。

 

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