交通事故に遭った後、「後遺障害の申請をしたいけれど、障害年金も受け取れるの?」「どちらか一方しかダメなの?」と疑問に感じている方は少なくありません。
実はこの2つ、制度の目的も運営元もまったく違うため、条件を満たせば併用は可能です。
ただし、併用には注意点もあるため、本記事では「仕組み」「併用できるケース」「気をつけるポイント」を分かりやすく解説します。
■ 障害年金と後遺障害はまったく別の制度
まずは、この2つがどのような制度なのか整理しましょう。
● 障害年金とは?
障害年金は、交通事故や病気などによって日常生活や仕事に支障が出るレベルの障害が残った場合に受け取れる、国の公的制度です。
- 運営:年金機構(国の制度)
- 対象:仕事・生活能力に制限がある障害
- 種類:障害基礎年金、障害厚生年金
- 支給方法:原則、生涯または一定期間
- 審査基準:「障害認定基準」による医療・生活状況の総合判断
交通事故が原因であっても、病気が原因であっても、障害の程度が基準に合えば受給できます。
● 後遺障害(自賠責保険の後遺障害等級)とは?
後遺障害は、交通事故後に症状が固定し、体に一定の障害が残ったときに認定される制度です。
- 運営:自賠責保険(損害保険会社)
- 目的:事故によって負った損害への補償
- 等級:1級〜14級
- 支給内容:後遺障害慰謝料、逸失利益
障害年金は「生活保障」、後遺障害は「損害補償」という位置づけです。
この「目的の違い」が併用を可能にしています。
■ 結論:障害年金と後遺障害は併用できる
制度の目的が異なるため、障害年金と後遺障害は併用可能です。
たとえば、以下のようなケースは多く見られます。
【併用できる例】
例1)交通事故で後遺障害12級(頸椎痛)
- 首の痛みが続き、仕事に制限が出る
- 障害厚生年金3級に該当した
→ 後遺障害12級の慰謝料+障害厚生年金の受給が可能
例2)交通事故で高次脳機能障害(後遺障害1〜3級)
- 記憶障害・注意障害が残り生活に支障が出る
- 障害基礎年金1級認定
→ 後遺障害1級の保険金+障害年金1級を併用可能
例3)下肢の骨折後、歩行に著しい制限
- 後遺障害7級
- 労働能力が大きく落ち、障害厚生年金2級
→ 併せて受給可能
■ 併用に関する注意点
併用は可能ですが、次のポイントを必ず把握しておきましょう。
① 障害年金の等級が後遺障害より重いわけではない
「後遺障害〇級」と「障害年金〇級」は基準がまったく違います。
- 後遺障害:医学的な後遺症の程度
- 障害年金:日常生活・労働能力への影響
例えば、後遺障害14級でも障害年金2級になることがありますし、その逆もあります。
② 障害年金は“事故が原因”でなくてもOK
障害年金の審査では、
「障害が交通事故によって起きたか」は直接関係ありません。
あくまで
- どれだけ生活が制限されているか
- 医師の診断内容
- 初診日の年金加入条件
が判断基準になります。
③ どちらの申請も“医師の書類”が最重要
- 障害年金 → 診断書(様式あり)
- 後遺障害 → 後遺障害診断書
これらは似て非なる書類です。
医師が正しい内容で書いてくれるかが結果に大きく影響します。
④ 後遺障害の認定後でも障害年金は申請できる
多くの方が
「後遺障害を先に申請したから、障害年金はもう無理でしょ?」
と誤解しています。
実際はその逆。
むしろ 後遺障害がつく=日常生活に影響がある可能性が高い ため、障害年金につながるケースが多いです。
⑤ 医師や保険会社に“申請を止められて”諦める人が多い
残念ながら、次のようなケースが起こることがあります。
- 医師に「あなたは該当しないよ」と言われた
- 保険会社に「その症状は軽いからムリだ」と言われた
しかし、これらは専門機関が判断すべき内容です。
医療機関・保険会社が決めることではありません。
■ 申請を成功させるために大切なこと
併用をめざす場合、以下のポイントを押さえると成功率が上がります。
● 1. 症状固定前から記録を残す
- 通院状況
- 痛みの強さ
- 仕事や生活での困りごと
これらは後で審査の裏付けになります。
● 2. 障害に理解のある医師を選ぶ
障害年金の診断書は
「ただ書くだけ」ではなく、
生活の不自由さを医学的に言語化しなければいけません。
書き慣れていない医師だと、実際より軽く書かれてしまい、不利になります。
● 3. 専門家に相談する
- 社会保険労務士(障害年金専門)
- 交通事故専門の行政書士
- 交通事故に詳しい整骨院
これらに相談することで、書類ミスや不備が格段に減ります。
■ まとめ:併用は可能。正しい知識と準備で損をしないように
交通事故後の障害は、身体的だけでなく、精神的・経済的にも大きな負担になります。
その負担を少しでも軽くするために、障害年金と後遺障害の併用は非常に有効です。
✔ 併用は可能
✔ 制度は目的が違うため、二重取りにはならない
✔ 医師の診断書の質が結果を左右する
✔ 早めに専門家に相談するのが成功の近道
交通事故での後遺症は、見た目では分かりにくいものも多く、適切な補償を受けられず泣き寝入りしてしまうケースもあります。
この記事が、あなたや周囲の方が「損をしないための第一歩」になれば幸いです。
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