交通事故による骨折!機能障害・変形障害の後遺障害認定基準


交通事故によるケガの中でも、骨折は後遺症が残りやすい代表的な外傷です。骨が癒合しても「関節が動かしにくい」「力が入りにくい」「見た目が大きく変わった」といった症状が残ることがあり、これらは後遺障害として認定される可能性があります。本記事では、交通事故による骨折後に問題となりやすい機能障害変形障害について、後遺障害等級の認定基準を中心に分かりやすく解説します。

骨折後に残りやすい後遺症とは

骨折は、単純に骨が折れるだけでなく、関節・筋肉・靱帯・神経など周囲組織にもダメージを与えることが多い外傷です。そのため、治療が終了しても次のような症状が残ることがあります。

・関節の動く範囲が狭くなる(可動域制限) ・力が入りにくい、うまく使えない(筋力低下・巧緻障害) ・骨が変形したまま癒合する(変形治癒) ・痛みや違和感が慢性的に続く

これらの症状が医学的に証明され、日常生活や仕事に支障を及ぼすと判断された場合、後遺障害として等級認定の対象になります。

機能障害とは何か

機能障害とは、本来あるはずの身体の動きや働きが、事故によって制限されてしまった状態を指します。骨折後の後遺障害で特に多いのが、関節の可動域制限による機能障害です。

関節の可動域制限

関節には正常な可動域が定められており、事故前と比べてその範囲がどの程度制限されているかが重要な判断材料になります。一般的には、健側(ケガをしていない側)との比較や、医学的に定められた基準値との比較で評価されます。

代表的な等級の目安は次のとおりです。

8級相当:主要関節の可動域が著しく制限されている場合 ・10級相当:主要関節の可動域が半分程度に制限されている場合 ・12級相当:関節の可動域が一定程度制限されている場合

肩・肘・手首・股関節・膝・足首など、日常生活に影響の大きい関節ほど、可動域制限の評価は厳密に行われます。

神経や筋力への影響

骨折に伴い神経が損傷すると、しびれや麻痺、細かい動作ができないといった症状が残ることがあります。これも機能障害として評価され、症状の程度によって等級が判断されます。

変形障害とは何か

変形障害とは、骨折が治癒したものの、骨が曲がったり短くなったりした状態で固定され、外見上も明らかな変形が残っている場合を指します。

変形障害の判断ポイント

変形障害では、単にレントゲン上の変形があるだけでなく、

・外見から見て明らかに分かる変形か ・日常生活や動作に支障があるか

といった点が重視されます。

代表的な認定例としては、

・鎖骨や前腕骨、下腿骨などが変形したまま癒合している場合 ・左右差がはっきり分かるほどの変形が残っている場合

などが挙げられます。

等級としては、主に12級14級が認定されるケースが多く、変形の程度や部位によって判断が分かれます。

後遺障害認定で重要な「症状固定」

後遺障害の申請を行うためには、「症状固定」という考え方が非常に重要です。症状固定とは、これ以上治療を続けても大きな改善が見込めない状態を指します。

骨折の場合、骨癒合が確認された時点で症状固定と判断されることもありますが、関節の動きや痛みが残っている場合は、リハビリの経過も含めて慎重に判断する必要があります。

症状固定のタイミングが早すぎると、本来認定されるべき後遺障害が正しく評価されない可能性もあるため、主治医と十分に相談することが大切です。

認定を左右する検査と書類

機能障害・変形障害の認定では、以下の点が特に重視されます。

・レントゲン、CT、MRIなどの画像所見 ・関節可動域測定の数値 ・後遺障害診断書の記載内容

特に後遺障害診断書は、認定結果を大きく左右する重要な書類です。可動域制限や変形の状態が具体的かつ客観的に記載されているかが、等級認定のカギとなります。

まとめ

交通事故による骨折は、治療が終わった後も機能障害や変形障害といった後遺症が残ることがあります。これらが正しく評価されれば、後遺障害として等級認定を受けることが可能です。

そのためには、治療経過を丁寧に残し、症状固定の時期を慎重に見極め、必要な検査や書類を適切に整えることが重要です。骨折後の違和感や動かしづらさを軽視せず、後遺障害申請を見据えた対応を早い段階から意識しておきましょう。

 

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