脊柱について~PART2~


今日は、前回に引き続き「脊柱」についてお話します。

 

  • 脊柱の弯曲と運動

脊柱は正面から見ると通常は一直線に連なる。何らかの原因でこの配列(アライメント)が乱れて、正面像で弯曲が生じてしまった場合を側弯と呼ぶ。

☆先天性側弯・・・側弯には生まれつきの脊椎骨奇形によるもの

☆特発性側弯・・・原因不明で思春期の女性の頻度の高い

☆変性側弯・・・脊椎骨の変形によって生じる

☆疼痛性側弯・・・椎間板ヘルニアなどによる神経の圧迫がある場合、神経への刺激から逃れようとして生じる

 

  • 弯曲について

脊柱を横から見ると、多くの人は頚椎では前弯、胸椎では後弯、腰椎では前弯を呈して

いる。弯曲には個人差があるため、若い女性では頚椎の前弯がすくなく後弯位をとること

もなれではない。

 

  • 脊椎のアライメント

生理的弯曲は、骨盤・仙骨の傾斜の影響を受けており、骨盤が前傾位をとり仙骨傾斜角

が大きくなると、腰椎の前弯は強くなり、胸椎の後弯、頚椎の前弯は増強される。骨盤が

後傾すると仙骨傾斜角は減少し、腰椎の前弯は少なくなる。

脊柱アライメント に対する画像結果

  • 上位頚椎

☆第1・2頚椎はそれぞれ環椎、軸椎と呼ばれ後頭骨(頭蓋骨)で1つの運動複合単位を形成している。

上位頸椎 解剖構造 に対する画像結果

☆後頭骨―環椎間は前後径の長い環椎後頭関節で接合し、中・下位頚椎の動きによらない合計約15°程度の前後屈が可能。

☆環椎後頭関節の関節包および環椎十字靭帯で安定化されている。

 

  • 中・下頚椎

☆第3頚椎から第7頚椎は形態的に類似しているが、第3・4・5頚椎は通常、二峰性の

棘突起を有し、第6・7頚椎は一峰性の棘突起を有し、より胸椎の形態に近づく。

☆第7頚椎の棘突起は他と比較して大きく、体表から良く触れることができ隆椎とも呼ばれる。

☆鉤椎関節は頚椎の安定性に奇与しているが、同関節の変形性変化による骨棘の増生によって椎間孔が狭小し神経根の圧迫を起こす。

☆頚椎椎間関節は矢状面において水平面に対して約45°の角度を持っており、これによって中・下位頚椎は広い前後屈可動性を有し、特に第4・5、第5・6頚椎間での可動域は約20°と広い。

中・下位頸椎 解剖構造 に対する画像結果

  • 胸椎

☆胸椎は12対の肋骨と連結し、胸郭を形成し心臓・大血管・灰を保護している。

☆第1肋骨から第10肋骨は通常は胸骨と強固に連結しているため、第1胸椎から第10胸椎の間では屈曲―伸展可動域は小さい。

☆第11・12肋骨は胸椎と結合しないため、第11・12胸椎は可動性を有する。

☆第1から第10胸椎は外力に対しては安定性が高い。

胸椎 解剖構造 に対する画像結果

 

  • 腰椎

☆腰椎は上体の荷重負荷を支えるため、他の脊椎骨に比べて大きな椎体を有する。

☆腰椎椎間関節の関節面は矢状面に近くなるため、回旋可動性は少なく、主に屈曲―伸展可動性を有する。

胸椎 解剖構造 に対する画像結果