前十字靭帯損傷


今日はスポーツ時に多い前十字靭帯についてお話します。

 

●膝の靭帯には前十字靭帯、後十字靭帯、内側側側副靭帯、外側側副靭帯の4つの靭帯が存在します。

 

  • 前十字靭帯について

前十字靭帯は前内側線維束と後外側線維束の2つがあり、大腿骨(太ももの骨)から脛骨(膝下の骨)の前部についている靭帯で、膝の上下の骨をつないで膝が前後に揺れるのを防ぎ安定性を保っています。機能として「脛骨の前方移動の制御」で、脛骨が前に飛び出すのを防ぐことと、膝を捻じる・回転させる「回旋動作」のコントロールです。

  • 前十字靭帯の受傷機転

前十字靭帯はスポーツ中になることが多く特にコンタクトスポーツ(ラグビー、柔道など)で起こるがその中で接触型と非接触があります。接触型とは直接膝関節に加わり断裂する、非接触とは直接外力は加わらず太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)が急激に収縮する動作や膝に捻りが加わる動作により断裂します。日常的には、軽微な動作(ちょっとした階段を飛んだ、振り向いた)で起こります。また、受傷時には「ブチッ」という音がしたと訴えることが多いです。

 

  • 受傷直後について

受傷直後は、腫れや疼痛は認めないが時間とともに腫れや疼痛が出てきます。膝関節が腫れることで関節可動域が制限され疼痛のため歩行できなくなることがあります。約1か月程度で日常生活のは戻れるが、合併半月板もきたすことがあるので注意が必要だと考えられます。

  • 治療法

☆保存的療法

☆外科的療法→手術

・自家腱・・・半腱様筋腱と薄筋腱と骨付きの膝蓋腱

・人工腱

手術方法には自らの腱を使って行う自家腱と誰かからの移植での人工腱があります。また、最近では元の腱に近づくよう二重束再建術が行われています。

        

 ☆後療法→術後1か月はリハビリ

膝装具を装着して行う

2週~可動域訓練

3週~荷重開始

4週~全荷重開始

 

・可動域訓練

ヒールスライド

 

・荷重トレーニング

レッグカール(チューブ)

レッグカール チューブ に対する画像結果

レッグエクステンション(チューブ)

 

・全荷重トレーニング

 両足ハーフスクワット

ハーフスクワット に対する画像結果

片足前ハーフスクワット

片脚ハーフスクワット に対する画像結果

 

両足スクワットができるようになればバランストレーニングを始めても良い。

 

 

  • 次回は手関節の機能や構造についてご説明します。